本を読むワクワク感。
ベッドの中、浜辺、お気に入りの場所に腰かけて…本を読む楽しさと、たくさんの本に囲まれてどれにしようか選ぶ楽しさ。
本が好きな人必見の映画です。
あらすじ
1959年。イギリス海岸近くのある田舎町。
戦争で夫を亡くしたフローレンスは、書店が一軒もないこの町で夫との夢だった書店を開こうと考えていた。
女性が開業することはまだ珍しく、保守的なこの町の中で彼女は異質な存在であり住民たちから冷ややかな目で見られていた。
なかでも町の有力者ガマート夫人は、自分の知らないうちに古い空き家を購入し書店を始めた彼女を快く思わず、書店を廃業させるべくいろんな手を使って邪魔をしてくるようになる。
本を読むのは好きではない、という少女 クリスティーンをアルバイトとして雇い、フローレンスは町で一つしかない書店「THE OLD HOUSE BOOK SHOP」を開店する。
そんなある日、フローレンスは40年以上も家に引きこもって本ばかり読んでいる変わり者の老人ブランディッシュと出会い、本を通じて交流をするうち親しくなっていく。
スタッフ・キャスト
2017年製作 スペイン
原題:La libreria
配給:ココロヲ・動かす・映画社○
監督 | イザベル・コイシェ |
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脚本 | イザベル・コイシェ |
フローレンス・グリーン | エミリー・モーティマー |
エドモンド・ブランディッシュ | ビル・ナイ |
ガマート夫人 | パトリシア・クラークソン |

感想
主人公の女性がとても魅力的。
それプラス、島の風景、服、小物、どれも素敵な映画でした。
新しいもの、自分や周りの人とは違うものをなかなか受け入れない人や場所(集まり)ってありますよね。
この時代に限らず、今でも。
可哀想だけどフローレンスは出ていくしかなかったのかなぁ…という気がします。
亡くなった旦那との夢だった書店を開いたけれど、結局は島を出ていくことになったフローレンス。
ハッピーエンドではない…ように思えたけれどさらにその続き。
この後の展開が良かった。
最初の頃から気になっていた「語り口調」と映画のタイトル「マイ・ブックショップ」の意味。
最後にはスッキリと、にっこり微笑んでエンディングを迎えられます。
よかった。よかった♪
やっぱり人と人との繋がりとか出会いって大事ですね。
その後の人生が大きく変わることだってあるかもしれない。
この映画を観ていると「本」がとても素敵に撮られていてゆっくり読書をしたくなります。
落ち着いた雰囲気の古い建物。
自然の光が差し込む書店の中は天井まで届くような背の高い本棚があり、きれいに本が並べられている。
カバーが美しい本。
タイトル文字のデザインが凝った本。
可愛らしい挿絵が入った本。
注文した本が大きなケースに入ってたくさん届く。
購入してくれた方に届ける本を丁寧に包む。
フローレンスがベッドの中で夢中になって「ロリータ」を読む。
海辺に腰かけて静かに読書をする。
ブランディッシュが届いた本の包みを開く。
…見ているだけでワクワクします。
そう。
本を読むのって楽しい。
テレビを消して、スマホも置いて、静かに本の中の物語に入り込む。
この頃はクリック一つでお目当ての本を簡単に購入できるけど書店は楽しいんですよ。
小説、ノンフィクション、科学、美術、写真集、童話…たくさんのジャンルに分けられた棚を順番に眺めて気になったものを手に取ってパラパラっと中を見る。
今まであまり関心がなかったジャンルのものでも、思いのほか面白かったりしてたくさんの発見がある。
そういう「本」や「書店」の楽しさを思い出させてくれるような映画でした。
そしてもう一つ。
ファッションが可愛くて注目です。
ワンピース、カーディガン、フレアスカート、Aラインのコート、カラフルなニット…。
雨の日のレインブーツも、私には絶対できない難しそうな柄と柄の組み合わせも。
普段着が本当にどれもこれも可愛い。
主役のフローレンスだけでなくクリスティーンも負けないくらい可愛いです。
クリスティーンの定番はワンピース+手編みのニットカーディガン+タイツ。
ニットはどれもざっくりした感じで「パステルカラーのシンプルなもの」「丈の短いもの」「2色で下三分の二がフリルの変わったデザインのもの」と様々。
クリスティーンは髪型も可愛いのでピンクハウスのカタログに出てるモデルさんみたい♪
更に更に。
クリスティーンのママもかなり良いです。
毎日家事に忙しくてファッションを気にしてる暇はないって感じのママですが、とてもカラフルでオシャレ。
ターバンもニットカーディガンもスカートも「柄もの」「カラフル」
そのどれもとっても似合ってます。
ちらっと映ったクリスティーンの弟が着てたニットベストもカラフルで可愛かった。
きっと、母親の手編みのカーディガン。
サイズが合わなくなったり、ほつれたりしたらほどいて編み直してたのかな?
途中で毛糸が足りなくなったら他の服の糸を足したりしながらリメイクしてたのかな?
なんてことを想像したり。
本好きにはたまらない。
ストーリーもGOOD!そして、ファッションも楽しめる映画でした。