ビリー役のオークワフィナがいい。
化粧っけがないところ。
少し猫背なところ。
不思議な魅力のある女優さん。
彼女が出てる他の映画も観てみたい。
あらすじ
ニューヨークに暮らすビリーと家族は、癌で余命わずかと宣告された祖母ナイナイに会うために中国へ帰郷することになった。
ナイナイと最後に会うため、ニューヨークや日本など各地に離れて暮らしていた親戚一同が久々に顔を合わせる。
病気のことをナイナイに悟られないように、集まった口実として「従兄弟の結婚式」をでっちあげる。
残り少ない人生を悔いなく生きられるように、ナイナイの為にも本当のことを告げるべきだと言うビリーだったが、中国に住む大叔母が反対する。
中国では昔から、助からない病気は悲しませないために本人に告げないことになっている…と。
もやもやとした思いを抱えながらも、数日間をナイナイと過ごし結婚式の準備を進めていく。
スタッフ・キャスト
2019年製作 アメリカ
原題:The Farewell
配給:ショウゲート
監督 | ルル・ワン |
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脚本 | ルル・ワン |
ビリー | オークワフィナ |
ハイヤン | ツィ・マー |
ルー・ジアン | ダイアナ・リン |
ナイナイ | チャオ・シュウチェン |
アイコ | 水原碧衣 |
感想
告知をするのか、しないのか。
それは、個人の問題…本人、親、兄弟などごく限られた人たちの間での問題だと思ってたけど「お国柄」なんてのもあるんだね。
個人の死が個人のものではなく、社会や家族の一部。って今ひとつピンとこないけど。
どっちがいいなんてわからないし、きっとそんなものはない。
告知はして欲しい、と思っている人でも実際に自分の命に期限がつけられた時、どういう気持ちになるのかわからない。
親でも兄妹でも、多分自分自身のことでもわからない気がする。
ビリーが担当の若い医師と英語で会話をするところが良かった。
若い二人が話しているのを、嬉しそうに見ているナイナイ。
親戚が集まってわちゃわちゃしてる感じが懐かしいというか、こういうの有るよね。こういう雰囲気。
結婚したての頃、法事や何かで田舎にある旦那の実家に帰った時に少し似ているような。
年配の女性たちが、あれこれ仕切って台所で手際よく料理をどんどん作っていく様子や、日本人嫁がただニコニコするしかないとことか(←彼女は頑張ってました)。
ビリーからすれば大好きなおばあちゃんだけど、母親からしたらほんの少し面倒くさい姑だったのかも。
「泣き女」や「前撮り写真でのポージング」
目に見える形で感情の度合いを測られているような…これも「お国柄」?
分かりやすいけど違和感というか…少し引いてしまいます。←これも「お国柄」か?
反発するビリーの母親の気持ちもわかるなぁ。
結局、余命のことをみんなで隠していたけれど中国では昔からそうしてきたし、ナイナイ自身も同じことをしてきたんだからナイナイは気づいていたはず。
ナイナイを悲しませたくなくて息子や孫たちが嘘をつく。
ナイナイも嘘と知っててだまされる。
みんなでご飯を食べて、歌って、ゲームをして、他愛もない話をして笑う。
それぞれが相手の事を思いやりながらいつもと同じように笑い、おしゃべりをし、食事をする。
みんなで過ごす優しくあたたかい時間。
子供の頃
「もしも一週間後に死ぬとしたら何をする?」
なんて友達や姉妹と話したことがありました。
行ってみたかった場所。欲しかったもの。死ぬ前に思う存分楽しまないと!…と、一生懸命想像してたけど今だったら
家族みんなでご飯を食べて、いつものように過ごす。
と答えると思う。
ナイナイのように、みんなで集まってご飯を食べて、くだらない話をして笑って。
多分、そんな風に過ごしたいと思うんじゃないかな。
命の期限がいつまでか、なんて誰にもわからない。
人はいつか必ず死を迎える。
理想を言えば、明日死んだとしても後悔の無いような生き方をしたい。
毎日を丁寧に。
一生懸命に。
明るく。
感謝して。
好きな人には好きだと言おう。
嬉しかったらちゃんと「ありがとう」と言おう。
「ごめんね」も言おう。
「美味しかった」も言おう。
「いだだきます」も「いってきます」も「おはよう」も「おやすみ」も全部言おう。
そんな風に毎日を過ごしていきたい。