「グリーンブック」観てきました。
アカデミー賞の作品賞、脚本賞、助演男優賞を受賞後とあって最前列までいっぱいの人!!
若い方からご年配の方まで年齢層もかなり幅広かったです。
あらすじ
1962年。ニューヨークの高級ナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒として働くトニー・リップ。
彼はガサツで教養はないけれど口が達者で腕っぷしもいい為、家族や仲間たちから頼りにされ信頼されていた。
そんなある日、クラブが改装のため閉鎖。
しばらくの間無職になってしまったトニーだが、黒人ジャズピアニストの運転手としてスカウトされる。
その黒人ピアニストの名前はドクター・シャーリー。
カーネギーホールに住み、ホワイトハウスで演奏したほどの天才ピアニスト。
人種差別が根強く残る南部へ、あえてツアーにでかけようと計画していた。
生まれも性格も全く異なる2人は衝突を繰り返しながらも、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに一緒に旅をするのだった。
スタッフ・キャスト
2018年製作 アメリカ
原題:Green Book
配給:ギャガ
監督 | ピーター・ファレリー |
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脚本 | ニック・バレロンガ |
トニー・リップ | ヴィゴ・モーテンセン |
ドクター・シャーリー | マハーシャラ・アリ |
ドロレス | リンダ・カーデリーニ |

感想
まずは。タイトルのグリーンブック。
【グリーンブック】
1936年から1966年までヴィクター・H・グリーンにより毎年出版された黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブック。
ジム・クロウ法の適用が郡や州によって異なる南部で特に重宝された。
【ジム・クロウ法】
1876年から1964年にかけて存在した、人種差別的内容を含むアメリカ合衆国南部諸州の州法の総称。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
例えば、黒人と白人は同じ部屋で過ごしてはいけない。結婚してはいけない。
同じ部屋で食事をしてはいけない。
電車・バスは車両や席を分けないといけない。
白人女性の看護師がいる病院に黒人男性は患者として立ち入ってはいけない。
白人の学校と黒人の学校は厳密に分けなくてはいけない。
他にも、過剰な投票税をかけ黒人が投票できないようにしていた…など、
かなり厳しく取り決められていたそうです。
以上、マメ知識を踏まえて映画の感想です。
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観終わった時に、自然と顔がにっこりしているような、
幸せな気持ちでいっぱいになっているような映画でした。
基本ハッピーエンドが大好きなのでこういうラストは好みです。
黒人と白人の二人。
生まれも育ちも性格も、日々の暮らしも何もかも違う二人が一緒に旅をする中で少しずつ相手の事を理解し思いやり友情が芽生えていく。
これは実話だそう。
エンドロールでは実際の二人の写真が映し出されます。
実話ベースの映画でエンドロールに実際の写真が流れるのもかなり大好きで、写真を目にすることで今見ていた話がより胸にグッときます。
上の項目でもちらっと書きましたが、本物の「トニー」
…実際はトニー・リップではなくトニー・バレロンガというお名前だそうですが、その実の息子ニック・バレロンガが制作・共同脚本に参加しています。
トニーはいい!!
愛すべき男ですw
この映画を見てトニーが嫌だって人、いるのかなぁ?
不器用で少し乱暴なところもあるけど、家族思いで仲間のことも大事にしていて。
憎めないですよね。
そしてそしてあの豪快な食べっぷり!!
トニーが食べるシーンはどれもこれもいい。
気持ちいいくらい食べてます。
車を運転しながらサンドイッチを食べる。
ホテルのベッドで寝っ転がってポテチを食べる。
ボロボロとこぼし、汚れた手は服で拭く(笑)
おっきなホールのピザを二つ折りにして食べる姿は館内でも笑いが起きました。
そして、
のケンタッキーフライドチキンのシーンも最高に面白い。
こんなガハハ系のトニーですが、シャーリーの孤独や寂しさに気づいてそっと寄り添ってくれる優しい一面も。
優しくて思いやりもあるなんて、いやもぅ最高じゃないですか?トニー!
誰でも悩みはあると思うし、
それは誰かが解決してくれるようなものではないかもしれない。
でも、ツラい時にそばにいてくれる人がいるのは心強いもの。
そして、自分一人だと思いもしなかった言葉をかけてくれるかも。
行き止まりだと思っていたのに、こっちに道があるよ、と教えてくれるかも。
そう。
たった一人で悩んで考え込むとろくなことが無いのです。
ポンっと軽く背中を押してくれたトニーと、その言葉で少し勇気をもらったシャーリー。
そして飛び込んでみたラストにほっこりです。
奥さんの最後の一言も最高に素敵で心の中が幸せな気分いっぱいに包まれます。
誰にでもオススメできる映画です。
黒人と白人。黒人と黒人。…差別。
シャーリーがいつも穏やかで、誰とでも…たとえ自分に対して酷い扱いをしてくる人にでも笑顔で丁寧に接する姿。
暴力で立ち向かっても何も解決しないことを知っているシャーリー。
自分がこうやって誰に対しても丁寧に、誰の事も大切に接することでいつか変わっていくことを信じている。
強い意志を感じました。
負けでもない、諦めでもない、力強く前に進んでる。カッコイイ。
それにしても、いろんな映画を観始めてつくづく思うのが学生時代ろくに勉強してこなかった私のバカっぷり。
嫌いな科目はホントに興味なくて捨ててました。
今回の映画でいえば南部と北部の違い?
南北戦争とか時代背景を知っていれば、より楽しめたのでは?と思います。
これ勉強して何の役に立つん?
と思ってる現役学生さん、いつかどこかで役に立つことあるかもしれないよ~。