直子役の女優さん…どっかで見たことある…と思ったら「凪のお暇」の足立さんだった。
出演者は柄本佑と瀧内公美の二人だけ。
そして、ほぼほぼSEXシーン。
映画館ではいつもかなり前の席に座るのだけど、人がまばらな映画館の中で一人最前列で観る私。
という感じだったかも(笑
あらすじ
離婚し、働いていた会社も倒産して今は職無しの賢治。
かつての恋人であり従妹の直子の結婚式に出席するため故郷の秋田に帰ってきた。
久々に再会する賢治と直子。
十日後に結婚式を控えた直子は、新生活の準備を進める中で一冊のアルバムを見つける。
その中の写真は、賢治と直子が20代始めの頃…二人が恋人同士だったころに撮った一糸まとわぬ姿の二人だった。
「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」
結婚式まで。
直子の婚約者が戻ってくるまでの五日間だけ。
二人は昔に戻って、ただただ快楽に身をゆだねる。
1度だけと約束したはずだったが、かつての記憶も蘇り抑えきれない衝動にはまっていく。
そして、その先は。
二人の出した答えは。
【ファントム・フィルム公式チャンネルより】
スタッフ・キャスト
2019年製作 日本
配給:ファントム・フィルム
監督 | 荒井晴彦 |
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原作 | 白石一文 |
脚本 | 荒井晴彦 |
永原賢次 | 柄本佑 |
佐藤直子 | 瀧内公美 |

感想
食べる。寝る。セックスをする。
ただこの繰り返し。
人間の欲望のまま、欲望むき出しの生活。
オープニングの伊東ゆかりが歌う「早く抱いて」がとても良い。
声が素敵で、アルバムのページがめくられモノクロの写真が次々と出てくるのが本当に泣けてくるくらい良い。
まだ二人が今よりずっと若かった時…夢中で好きだった人との想い出やその頃の感情や匂いや音楽、すべてが蘇ってくるかのような。
モノクロ写真だけどすごくエネルギッシュで、いろんな感情が溢れてくる…そんなオープニングでした。
直子が賢治に昔のアルバムをわざと見せて、あまりその気ではなかった賢治に自分の方から迫っておきながら、賢治に火が付いたとたん
「一晩だけって言ったじゃない」
とか言うのは、ちょっと自分勝手に思えるけど、それもわざと…というか本気でそんな風に思ってたわけじゃないんだろうな、と。
賢治とこうなっていくのも全然オッケー。むしろそうなることを望んでいたワケで。
ここから二人のただただ「身体の言い分」にのみ耳を傾けた生活が始まります。
美味しいものを食べ、ぐったりするほど激しくセックスをし、よく眠る。
なんて生活だ!!!
二人が食事をするシーンもたくさんあり、そのどれもこれもが美味しそう。
ホイルで包んでホットプレートで焼いたハンバーグも、ラーメンも、レバニラも、ただ焼いただけのウィンナーも。
そして、二人の会話がとてもとても自然。
台詞とは思えないくらい自然でごく普通のやりとりがいい。
反対に妙に不自然というか説明臭い長いセリフがあったのも少し気になりました。
話し言葉ではなく、小説を朗読してるかのような感じ。
でも、これは登場人物が二人しかいないから、セリフに紛れて説明しないといけない場面だったのだろうな。
しょうがない。
身体の言い分に正直になった二人。
「世界が終わるとき、誰と何をして過ごしますか?」
その問いの答えが何にも縛られず自分に正直に…ということか。
付き合っていた当時、従妹という関係に少し後ろめたい思いもあった賢治。
自分の体が元気なうちにとか、親に早く孫の顔を見せてあげたいとか、そんな理由で結婚して子供を産まなくちゃと思う直子。
原作は、この二人はもっと年齢が上の設定だったみたいです。
賢治が40才前後、直子が30代半ば。
個人的には原作の年齢の方が、二人が再会して昔話をしながらただただひたすらにセックスをする…という方がしっくりきます。
当時のことを思い出して言った賢治の言葉に、少し間をおいて直子がこたえた
「けんちゃんが好きだったからよ」
というセリフに「好きな人が好きな事は私も好き」「受け入れたい」という気持ちが感じられます。
その頃の直子がどれほど賢治の事が好きだったか…切ないなぁ。
40歳前後の俳優さんだったら誰になっていただろう。
でも、柄本佑&瀧内治美ペアもとっても美しかった。
柄本佑は体がエロいw
彼はイケメンではないけれど色気がありますよね。
大好きな俳優さんの一人です。
ラストの海辺で語るシーンも美しく、ここでまたあの問いが出てきます。
世界が終わるとき、誰と何をして過ごしますか?
何で世界が終わるのか?
それは、映画を観てもらうとして。
「世界の終わり」に人々がパニックになって大騒ぎしている時、一番大好きな人とずっとセックスしてたっていいじゃない。
身体の言い分。それが二人の答え。
好きな人と一緒…ハッピーエンドなのかどうかわからないけど幸せそうに見えました。
【総評】
大人の恋愛映画。
夢中で誰かの事を大好きだった(遠い)昔のことを思い出して切ない気持ちになった方も多いのでは?
裸ばっかり出てくるので、最初は恥ずかしかった瀧内さんの裸体もすぐに見馴れる。
不思議とそれが自然に思えてくる。