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映画

「パラサイト 半地下の家族」感想&ネタバレ~夏休みの計画表どおりに計画がすすんだことなんか一度もない

家族写真に目線が入ってる「パラサイト」のポスター。

よく見てみると左下に足が写ってた。

映画を観終わってから気が付いたわ。

あらすじ

何度も事業に失敗してきた父親のギテクを始め、家族4人が全員無職のキム一家。

彼らは半地下の住宅で貧しい生活を送っていた。

ある日、長男のギウは友人の紹介で女子高生ダヘの家庭教師の職を紹介される。

ギウは優秀だが何度も大学受験に失敗し続けている。

しかし、ダヘの母親に気に入られ無事家庭教師としてパク家に出入りすることとなった。

ダヘの父親パク氏は、IT企業を経営しており、パク家は高台の豪邸に住んでいる。

すっかりダヘの母親の心をつかんだギウは、パク家の末っ子ダソンの家庭教師に、自分の妹であることを隠し、美大志望のギジョンを推薦する。

なかなか家庭教師が続かない問題児のダソンをあっという間に手なずけたギジョンは、家族の為に次の仕掛けを考える。

【公式サイトより引用】

スタッフ・キャスト

2019年製作 韓国
原題:Parasite
配給:ビターズ・エンド

監督 ポン・ジュノ
脚本 ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン
キム・ギテク ソン・ガンホ
パク・ドンイク イ・ソンギュン
パク・ヨンギョ チョ・ヨジョン
キム・ギウ チェ・ウシク
キム・ギジョン パク・ソダム
ムングァン イ・ジョンウン
キム・チュンスク チャン・ヘジン
パク・ダヘ チョン・ジソ
パク・ダソン チョン・ヒョンジュン
ミニョク パク・ソジュン

【アニメもドラマも映画もぜ~んぶ!】
日テレドラマ

感想

面白かった!

よく考えてあるなぁ。

ストーリーを知ったうえでもう一回観たらいろんな発見がありそう。

前半、キム家族が次々にパク社長の家にしれっと入りこんでいくあたり、テンポよくてハラハラ、ワクワクしつつ楽しめた。

後半からは雰囲気が変わって切なくなったり、パーティーのシーンでは少し泣けたり。

結局「悪人」がいないから切なくて泣けたのかな。

ま、社長一家をだまして入りこんだり、旦那を地下に住まわせたりするのは十分悪いコトなんだけど。

それはわかってる。わかってるけど、ちょっとそれは置いといて。

不快になるような極悪人がこの映画の中には出てこない。

キム一家だって、元の家政婦のムングァンさんだって社長たちのことを妬んだり憎んだりしてないし、むしろ感謝してる。

ただほんの少し…ほんの少しだけ。

家族が暮らしていける分だけ、おすそ分けして欲しかっただけ。

…って勝手だよね。わかってる!わかってるんですってば。

ムングァンさんは、地下に居る旦那の食事はお金を払ってた(社長が❝2人分食べる❞ってぼやいてたから全部が全部そうじゃなかったとしても、きっとその気持ちは十分にあったと思う)

自分たちの計画によって辞めさせられた運転手のことを気にかける父親。

きちんとムングァンさんたちと話し合った方がいい、と言っていた母娘。

自分のせいで家族を巻き込んだ、と責任を感じて追い詰められる息子。

きっと、そんなに悪い人達じゃない。

 

好きなシーンは“家政婦”の母親がデザートを持っていくシーン。

「先生もどうぞ」

と、言いながらこっそり耳を引っ張る。

娘の生意気な物言いに「はいはい」と面倒くさそうに返事をする。

仲のいい家族だなぁ、と微笑ましくも思える。

あと、美術の先生として妹が社長宅にやってくるシーンも好き。

玄関のチャイムを押す前にリズムを取りながら暗記をする…こういう細かなシーンがすごくいい。

 

そして、『グエムル』の時にも思ったけど「死」をしんみりさせてくれないポン・ジュノ監督。

止血で押さえてるのに

「あ、押さえたら痛い痛い」

と、何度も言わせたり。

 

パク社長一家も全然嫌味な感じじゃないんだよね。

奥様はいかにもお金持ちのお嬢様という雰囲気。

生まれた時から裕福な家庭に育ったからこそ、素直で単純で人の言う事をすぐに信じちゃうんだろうな~。

なんとなく一般的に、

「お金持ち」→イジワル、ケチ、態度でかい

「貧乏」→イイ人、正直、まじめ

みたいなイメージがあるけど、実際はそうでもないんじゃない?

お金があると生活だけでなく心にも「余裕」が出来る。

人って余裕がないと他人に優しく出来ないもの。

 

わー。おもしろーい♪…と見てた前半から、急展開の後半。

親子でリビングのテーブルの下で身をひそめ聞かされる話はたまらなかった。

匂いと安物のパンティー。

親がいるところで、子供がいるところで、聞きたくない、聞かせたくない話。

どんなに外見を整えたって、やっぱり彼らとは違うんだ。という気持ちになったし、自分たち(キム一家)の境遇や置かれてる立場を改めて思い知らされたような気持ちにさせられた。

この時のもやもやを、車の中でもう一度感じ、そして三回目があのパーティ。

気持ちが爆発しちゃったのかなぁ。

見てる私も、あの一瞬の出来事に「あ!」と、ビックリした。

あの場に居た家族(ギテクの奥さん)と同じような気持ちになってた(と思う)。

 

ラストも良かったよね。

あんな夢のような展開はないでしょ~!と、いうことで

「半地下で始まり、半地下で終わる」

 

で。

父親はどうなったのでしょう。

1.見つかる→捕まる
2.あの場所で亡くなる
3.逃げ出す
4.助け出される

すだち
すだち
どうなんでしょうね?