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映画

「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」感想&ネタバレ~自分らしく!自分で決めて自分の足で進む。

子供の頃に読んだ「若草物語」

こんな古い物語をなんで今頃取り上げるんだろう?

と、思ったけど全然古くさくなく、むしろ「新しい若草物語」でした。

女性がみんな生き生きとしていて気持ちいい。

あらすじ

19世紀、アメリカ、マサチューセッツ州ボストン。

マーチ家の四姉妹…美人でしっかり者の長女メグ、情熱家で活発な次女ジョー、内気で病弱だけれど優しい三女ベス、人懐っこくて頑固な末っ子エイミー。

個性豊かな姉妹の中で次女のジョーは小説家になることを夢見ている。

ある日、ジョーは資産家のローレンス家の一人息子ローリーと出会う。

ローリーの飾らない性格に徐々に心惹かれていくジョーだったが、ローリーからのプロポーズを断ってしまう。

結婚をして家庭に入ることで小説家になる夢は消えてしまうと信じるジョー。

しかし、自分で選んだ道でありながらも心に少し寂しさを感じていた。

そしてジョーは、小説家として自立するためニューヨークに渡る。

【公式サイトより引用】 

スタッフ・キャスト

2019年製作 アメリカ
原題:Little Women
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

監督 グレタ・ガーウィグ
原作 ルイザ・メイ・オルコット
脚本 グレタ・ガーウィグ
ジョー・マーチ シアーシャ・ローナン
メグ・マーチ エマ・ワトソン
エイミー・マーチ フローレンス・ピュー
ベス・マーチ エリザ・スカンレン
ミセス・マーチ ローラ・ダーン
セオドア・ローレンス(ローリー) ティモシー・シャラメ
マーチ伯母 メリル・ストリープ
ダッシュ・ウッド トレイシー・レッツ
ロバート・マーチ ボブ・オデンカーク
ジョン・ブルック ジェームズ・ノートン
フレデリック・ベア ルイ・ガレル
ミスター・ローレンス クリス・クーパー
ハンナ ジェイン・ハウディシェル

感想

小学生の頃、図書室で読んだ「若草物語」

ルイザ・メイ・オルコット原作のこのお話が発表されたのは1868年。

こんな古いお話を何で今更??

…と、最初思いましたが、全く古さを感じさせないストーリー。

イキイキとした四姉妹。

それぞれがぶつかる悩みや問題は、今の世の中に通ずる部分もたくさん。

仕事、結婚、家庭、妻、母親、男、女…150年も経ったというのにま~だ同じようなことで女性は悩み戦っているのか。

と、逆にビックリするわ!ホンマ。

 

子供の頃に読んだ「若草物語」はジョーのイメージが強く、あとの3人はさらっと書かれていただけって感じでした。

特に四女エイミーは「おしゃまな末っ子」…しかない。

が、この映画の中では4人それぞれがしっかりと描かれていて、しかもイメージ通りの部分と❝こんな性格だったの?❞って部分と両方あって本当に魅力的。

以下は4人の性格がよく出てるな、って思ったシーン。

美人で優しい長女メグ。

良い奥さん、良いお母さんになりそう、という印象のメグ。

でも、実は貧乏は嫌だって思ってる。社交界にも憧れてる。

パーティでのシーン。他の女の子たちのドレス、裕福な家庭の女の子たちの中にいる時のメグの表情。

そして結婚後、ドレス生地を買ってしまうシーン。(その結末も彼女らしくて良いんだけど)

自由な次女ジョー。

パーティーでローリーとテラスでめちゃめちゃなダンスをするシーン。

母親を助けるために長い髪をバッサリと切り明るく振舞うが、ベスの前では髪を切ったことが悲しくて泣いてしまうシーン。

一途に自分の夢を追い続ける気持ちと、でも時々寂しくなったりこれで良かったのか?と悩み意外と弱い部分もあるところ。←可愛い

内向的で病弱な三女ベス。

貧しいフンメル一家へ食べ物を持って様子を見に行くように…と母から言われていたのにみんなの「忙しくて行けない(行く暇がない)」という返答に少しムッとした表情で「一人で行く」というベス。

人見知り、大人しい、病弱、というイメージのベスだけど、結構芯は強くしっかりしてるなぁ~という感じ。

自分の体のこともきちんと気持ちの整理がついていて、動揺するジョーを包み込むような海辺でのシーンも「弱く」なんかない「強さ」を感じさせます。

小さくておしゃまな四女エイミー。

エイミーと言えばこれ「おしゃまなエイミー」

これですよ。

エイミー=おしゃま。 これしか浮かばん。

おしゃまって何なん?…って感じだけど。

でも、今回一番イメージぶっ壊して印象深かったのがこのエイミー。

低い声。ごっつい体。負けん気。豪快に笑う。意地。ハッキリした性格。

ドレス、ぱっつんぱっつんなんだけど。

エイミーはかなり良かった。

フローレンス・ピュー最高!

 

四姉妹だけでなく、母親、お金持ちの伯母も含めて色んな女性の生き方が描かれているこの作品。

愛、お金、夢。幸せの形は人それぞれ。

何を選んだっていい。

 

「女三人寄ればかしましい」

という言葉があるけれど、4人集まれば更にかしましいワケで。

四人のシーンはとにかくにぎやか。

順番にしゃべったりなんかしない。みんな食い気味(笑)

ワイワイと楽しそうに次から次へとしゃべって笑って、怒って、嬉しくて叫び、ビックリして叫び‥‥ま~、かしましい。

4人が一緒に歩いてる場面なんて、おしゃべりが塊で動いてる。

それに比べてお隣の男3人の静かなこと(家庭教師含む)。

にぎやかな四姉妹が帰っていった後の圧倒されたような顔と、嵐が去ったような静けさ、そして立ちすくむ男三人の姿が笑えます。

いつも楽しそうで、ローリーじゃなくても彼女たちの仲間に「入りたい」って思うに決まってる!

 

そして衣装の可愛らしさ。

ロングスカートにはおるロングコート。

編み上げブーツ。

Aライン。

生地を重ねてふんわりしたスカート。

かっちりしたジャケット+生地たっぷりロングスカート

ペチコート、レース、小花柄、チェック柄。

そして、バスケット、ウェーブがかかったロングヘア、編み込み、無造作なまとめ髪…全部全部可愛かった!

明るく。私らしく。前向きに。

♪ん~ん~ん~んん~~♪♪っていうハミングで始まるあの曲を聞くとワクワクウキウキしてくる。(あ、曲、わかってもらえました?)

清々しい気持ちで映画館を出ることが出来ました。