自分の信念を貫く。
ただただ貫く。
それが正しいことだと信じているから。
これくらい強引にやらないと自然は守れないのかもしれないなぁ。
あらすじ
アイスランドの田舎町に住むハットラは、セミプロ合唱団の講師。
しかし、彼女には隠されたもう一つの顔があった。
それは謎の環境活動家「山女」
環境破壊の原因となるアルミニウム工場に対して、一人で闘いを繰り広げていた。
電源のケーブルを切る、鉄塔を壊す、それは次第に他国も巻き込む大きなニュースとなっていく。
そんな中、思いがけず嬉しい知らせが。
ハットラの長年の夢だった養子を迎え入れる申請がついに受け入れられたのだった。
母親になるという夢の実現のため、ハットラは工場との決着をつけるべく立ち上がる。
【たちあがる女公式サイトより】
スタッフ・キャスト
2018年製作
アイスランド・フランス・ウクライナ合作
原題:Woman at war
配給:トランスフォーマー
監督 | ベネディクト・エルリングソン |
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脚本 | ベネディクト・エルリングソン / オラフル・エギルソン |
ハットラ / アウサ | ハルドラ・ゲイルハルズデッティル |
ズヴェインビヨルン | ヨハン・シグルズアルソン |
バルドヴィン | ヨルンドゥル・ラグナルソン |
ニーカ | マルガリータ・ヒルスカ |
首相 | ビヨルン・トールズ |
大統領 | ヨン・グナール |

感想
とにかくハットラがスゴ過ぎる。
こんなにおばちゃんが大活躍する映画を私は今まで観たことがない。
偵察のドローンに見つからないように死んだ羊をかぶり、川に潜り、泥にまみれ、弓を放ち、草原を走り抜ける。
…ただものじゃない。
シュワルツェネッガーがやってもおかしくないシーンの数々。
更衣室で着替えるときに、(下着の)パンツのゴムをパーーーン!ってやるとこなんてもぅ男らしさしか感じないw
全ては自然を守るため。美しいこの地を守るため。
「正しいことをしている」という自信があるから行動に「迷い」がない。
(これをすることで)困る人がいるかも?嫌な思いをする人がいるかも?…という考えは全くないような気がする。
あったとしても、きっとそれは二の次。
この映画の舞台アイスランドは、きれいで可愛らしい町並みと自然がいっぱいな場所。
確かにあの広々とした草原に鉄塔はいらない!
そして、この映画の感想で絶対に書かねばならないのはブラスバンドとコーラス隊。
映画のあらゆるシーンを盛り上げる音楽やコーラスがそのままスクリーンに、主人公ハットラと一緒に登場してる!
一応、裏方さんなのでハットラと言葉を交わしたりはしないけど、そばにいてハットラを心配そうに見守ってくれてます。
裏方さんというかハットラの一部?
ハットラの気持ちを表現しているので、彼らはハットラの「感情」、ハットラの「分身」みたいなものかも。
斬新でイイ。
私にも欲しいバンドとコーラス隊。
仕事ガンバッテル私。
スーパーで夕飯の買い物をする私。
帰宅してバタバタと家事をする私。
疲れてお布団の上にぶっ倒れる私。
猫とまったりする私。
バンドの演奏とコーラスで毎日見守り、時に盛り上げて欲しい。
ユーモラスな場面もあるけれど、実は「環境問題」という地球規模の大きな問題を私たちに突きつける映画でもありました。
この映画の舞台アイスランドも自然豊かでとても美しい場所。
ハットラが寝そべって草や土を肌で感じ、匂いをかいで愛おしそうにする場面が何度もありました。
この自然を守らなくては!という強い思いで「山女」として活動していたわけです。
それは絶対に正義で正しい事。という思いだったんですよね。ハットラとしては。
でも、妨害されるアルミニウム工場の人たちだけでなく、普通の主婦の人たちからも「山女のせいで」と疎ましく思われていることを知ります。
子供のころ読んだマンガでは「良い人」と「悪い人」がハッキリと分かれていたけれど、大人になってみるとあんまりクッキリハッキリとは分かれていない、ということに気づきます。
とっても厄介な「大人の事情」ってやつ。
自然を守ろう!というのは、きっと誰だってわかってるはずなんですけどね。
だけど「あたりまえ」のようになってしまった便利な暮らしも手放せない。
これは映画の中のお話、アイスランドのお話、ではなく、地球上のどこの誰でもすべての人に関わる問題。
しかも、あまりのんびりと構えていられない大きな問題。
結局、過激すぎたハットラは逃げきれない状況に追い詰められ、従兄弟もどきの男性&ワンちゃん、双子の姉に助けられます。
でも!
でもでも!!
姉妹とはいえ、
ハットラが戻るまでお姉ちゃんが面倒みる。…でいいのでは? ダメ?
数か月…の話なのかな?
それなら、まあ頑張れる気もするような、しないような…。どうなんだろう?
そして、巻き込まれまくる旅のお兄さんやハットラの部屋のガンジーとネルソン・マンデラにも注目。
この先、養女を迎えてハットラはどう変わるんだろう。
まさか今までと同じ行動はないよね。
過激さは少し抑えて、何か違う方法で環境問題に関わっていくのではないかと思います。
ぜひ、そうして欲しい。
そして、私も「今、私にできることはなんだろう?」 些細なことでもいい、何か身近なことから始めたい。
それにしても、「頭ではわかってるけどなかなか行動できない」事はたくさんある。
行動してないってことは、わかってるとは言えないんだろう。
行動することの大切さ。
ほんのちょっぴりでも行動する、行動し始める、というのが大切なのだろう。
自然や地球のことに限らず。
自分自身の未来とか幸せとか、そういうことに関してもね。
まさに映画のフライヤーにあったとおり
幸せは歩いてこない
フライヤーというよりチーターの言うとおり!
自分から行動しなくちゃ!!なのです。