正直言ってアイドル時代のあっちゃんには全く興味がなかったのですが「も
らとりあむタマ子」を観て一気に「女優・前田敦子」のファンに。
あの「素」なのか「演技」なのかよくわからないくらい自然な雰囲気。
特徴的な声。不思議な魅力の女優さんです。
あらすじ
テレビレポーターの葉子は「幻の怪魚」を探すため、番組のスタッフと共にかつてシルクロードの中心地として栄えたウズベキスタンを訪れていた。
葉子の本当の夢は「歌うこと」
いつか舞台で歌うことを夢みながらも、その想いを胸に秘め今はただ目の前にある仕事を一生懸命にこなしていた。
しかし、文化も考え方も違う異国での撮影は予定通りには進まない。
現地コーディネーターは手を尽くして橋渡し役に徹するも、ディレクターは苛立ち始める。
ある日、一日の撮影が終わり一人街に出た葉子は、かすかに聞こえてきた歌声に誘われるままある劇場に足を踏み入れる。
ステージで歌う女性…葉子の夢と現実が交差する…。
【東京テアトル公式チャンネルより】
スタッフ・キャスト
2019年製作
日本・ウズベキスタン・カタール合作
配給:東京テアトル
監督 | 黒沢清 |
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脚本 | 黒沢清 |
葉子 | 前田敦子 |
吉岡 | 染谷将太 |
佐々木 | 柄本時生 |
テムル | アディズ・ラジャボフ |
岩尾 | 加瀬亮 |

感想
全編オールロケということでウズベキスタンの景色、町並み、バザールの様子がとてもいい。
むき出しの山、雄大なシルクロードの風景。
さまざまなものが売られごった返しているバザールの熱気や活気。
砂埃が舞う乾燥した土地、石造りの家々、街の雑踏。
行ったことのないウズベキスタンという場所を一緒に旅しているかのような映像でした。
主人公の葉子はあまり感情を表に出すタイプではないけれど、この映画を観ていると彼女と一緒になって、彼女の気持ちになって、
一日の仕事を終えて「はぁ~疲れた~」となったり、
市場の中を興味深く眺めてみたり、
不安や恐怖やどきどきを(彼女と同じように)感じました。
加瀬亮、染谷将太、柄本時生の役も「本当にテレビスタッフってこういう感じなんじゃないかな?」と思えるようなリアルさ。
葉子も、カメラマンの岩尾も、今やっている仕事は自分が本当にやりたかった事ではない。
それでも、愚痴ったりいい加減なことをしたり、ヤケになったりしないで今の仕事をきちんと一生懸命にやっているところがいい。
当たり前のようで意外と出来ないですよね。
いつかステージに立って歌う、その夢が叶うのかどうかはわからないけれど
今やるべきことをきちんとやって、その中でいろんなことを経験し、人との繋がりがあって…そういうのが大事なんだろうな。
自分の足で少しずつ進んでいっている気がします。
劇場で目にしたもの、歌ったこと、これらが葉子の気持ちをより強く、そして夢に少し近づけていったのだったらいいな。
あっちゃんの歌う「愛の讃歌」 私は好きです。