「鋼の錬金術師」も「銀の匙」も我が家にあるのでとっても馴染みのある漫画家“荒川弘”さんでしたが。
…このマンガを読んで初めて女性と知りました。
ホルスタインがほぼメスってわかんないよぉ。
失礼いたしました。
作品紹介
タイトル | 百姓貴族 |
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作者 | 荒川弘 |
掲載誌 | ウンポコ→月刊ウィングス |
連載年 | ウンポコ:2006年 vol.8~vol.17 月刊ウィングス:2009年9月号~連載中 |
コミック | 既刊7巻(2023年2月現在) |
あらすじ
北海道十勝で酪農を営む家に生まれた作者。
高校卒業から漫画家になるまでの七年間、家族と共に農業に従事していた時のことを綴った“農業エッセイ漫画”
個性的な家族の笑える話と、農業のリアルが満載。
北海道での暮らし。
酪農という仕事。
大家族の日常。
“働かざるもの食うべからず”という掟。
大自然と野生動物と人間と。
そこには、私の全く知らない日常がありました。
感想
破天荒な父親に、タフな母親、そして祖父母。
大人たち(主に父?)に振り回されタフにならざるを得ない子供たち。
北海道で酪農を営むこの一家の生活はまるで異次元の世界w
北海道での生活も、酪農という仕事も全く縁がない私には驚きと驚きと驚きの全部驚きで、全ての話が
とか
ばかりです。
農業エッセイなので農業、酪農の裏側&本音&リアルがてんこ盛りのこのマンガ。
生き物相手だと休む間がなくて大変だよね~とわかってたつもりだったけど、想像以上にフル稼働でした。
笑える話もたくさん、食について考えさせられる話もたくさん。
小学校の図書館に置けば食育にもなって良さそう。
読むと、食べ物はムダにしちゃダメというのがよーーくわかる。
常に想像の上をいく父親のムチャクチャな行動に思いっきり笑ったり、
と、ビックリしたりで面白い。
すごく面白かったんだけど…実は時々モヤっと笑えない部分もアリでした。
一番最初は立てなかった仔牛の話。
そして、牛の角を切る話。
そして、決定的というか「そう、これなのよ」と思ったのが火星人が出てきた4巻。
火星人の「地球式に飼ってみていい?」のくだり。
その前の「金があるところに物が流れる」もそう。
この「百姓貴族」を読む前ですが、こんな本を読んでました。
アニマルウェルフェア。
動物福祉。
これを読んで、単純に「可哀想」と思ったし、「これは良くないよね?」と思ったわけです。
とは思えなかったというか…。
だけど、私は農業やってるわけでも酪農やってるわけでもない全く関係のない人間で。
アニマルウェルフェアの本をちょっと読んだだけで、全くの部外者がヤイヤイ言ってるだけ。
よく知りもしないで勝手なこと言ってるだけ…なんでしょうかね?
前に自然農園を作り上げた夫婦の映画も観ました。
害虫や害獣は人間が勝手に作り上げてるもの。害虫も害獣もいないんだ、ってリンゴが虫食いだらけになっても鶏が襲われまくってもひたすら頑張って自分たちの理想の農園を何年もかけて作り上げる映画でした。
これこそ理想!なんてことは思ってない。
これじゃ農家の人達やっていけないだろうな、というのはわかるし、
だけど、じゃ、どうしたらいいのか?はわからない。
マンガを読んでて牛や豚は“命”あるものなのに、時々“物”みたいに感じる時がありました。
チョットワラエナイ。
でも~。さっきも言ったけど、これって外部の人間が感傷的に言ってるだけなんですかね。
「ビジネス」とか「経済」が入ると、正しいと思えることが甘っちょろいことにされてしまう気がします。
理想ばっかり言ってて世の中の事(現実)を全くわかってない、みたいな。
そこのところ、実際に農業をされてる方からするとどうなんでしょう。
火星人の話、どういう思いで描かれたのか。
それがこのマンガを読んで一番気になる感想かな。
何が答えなのか、正解なのか、解決策は何なのか、何が何だかさっぱりわからないことだらけではありますが、私は牛乳を飲むし、お肉も大好きです。←唐突ですが
アニマルウェルフェアの事を考えると、私に何が出来るのよ??と答えが出ない。
とりあえず私にできることは、
食べ物を無駄にしない。
感謝して美味しくいただきましょう。
この二つ。
でも、結構大事なことですよね。
そんなことを、この「百姓貴族」を読んで改めて思ったのでした。
たくさんの人に読んでもらいたいなぁ。